新大阪から関空へ向かう特急電車はるかの中で見たあきれた熟年夫婦の話。
自由席の車両に乗った私は、案外人が多いのに驚いた。皆さん、気候がよくなったからか、お出かけシーズンなのかしらん、と思いながら、立っていた。他にも数人立っている人がいる。しばらくすると、車掌が切符を拝見、とやってきた。私が立っているすぐそばに座っているおじさんが渡した切符を見て、「こちら指定席になっていますが」と指摘。「え?」と驚くおじさん。その前の席に座っていた妻らしきおばさんも振り向いて、「え、指定席?あらあ、気づかなかった」などと言っている。車掌が「こちらの席のままでよろしいですか」と聞くと、おじさんは、「お、いい」と頷いている。
ちょっと待ってよ。指定席の切符持っている人が、立っている人もいるこの自由席の車両で座ってるわけでしょ。確かに、立っている人がいる中、大きなスーツケース二つも持って移動するのは大変なのはわかるが、ちょっと迷惑な人たちだなあ、と思ったわけよ。
で、途中の駅で、おじさんの隣の人が降りた。するとおばさんがその席に移動してきた。大きなスーツケースは今まで座っていた席の前におきっぱなしで。それじゃ、誰も座れないじゃん。すっごいなー、このずうずうしさ。立っている我々に対する配慮ってのはマイナス。
そして関空到着後、こやつらに続いて電車を降りたのだが、降りてすぐに立ち止まるという、どこまでカッペなんだよ、といいたくなる行動。「ここで止まんないでっつーの」と思わず小声で口に出して言ってしまった。3時間しか寝ておらず、おまけに1時間近く立ちっぱなしだった私の機嫌は良くない。

気を取り直して、宅配で送っておいたスーツケースをピックアップし、フィンランド航空のチェックインカウンターへ。こりゃまたかなりの長さの列。でも大半はフィンランド経由でどこか別の国にいくんだろうなと推測(ヘルシンキのbaggage claimでは、やっぱりちょろっとしか人はいなかった)。
無事チェックインを済ませた後、疲れたのでちょっと座りたいなと思い、チェックインエリアの近くのベンチでぼーっとしていた。何気なくカウンターの方を見ると、例の夫婦が係員となにやら話している。ええ、あの人たちも同じ便なわけ、と思っていたら、カウンターからスーツケース二つを持って離れた。ははーん、重量オーバーだな、とわかった。案の定、スーツケースをあけて、機内持ち込みの袋にいろいろ入れ替えているようだった。結局、旅慣れていない人たちなんだろう。初めての海外旅行か。とはいえ、電車の中でのずうずうしさは、やっぱりうちの伯父の言うところの「センスないよなあ」である。(伯父は、挨拶ができない人やマナーの悪い人のことを、センスがない、で片付ける。)ま、機内では見かけなかったから、私の席からは遠いところに座ってたんだろう。海外でセンスないことしてなきゃいいけど、してるんだろうな、やっぱり。