宝塚音楽学校の受験生を追うテレビを昨日ちょろっと見た。宝塚の舞台が華やかできらびやかなのは否定しないし、子供のとき初めてテレビで「ベルサイユのばら」を見たときには、その豪華なドレスやセットに目が釘付けになり、最後までじーっと見た。でも心の中で「変な声、変な化粧」と思っていた。以来、そう思い続けている。
スターになるのに憧れて一生懸命勉強や練習することは素晴らしいし、合格したシーンは「良かったねえ、夢に一歩近づけて」と心から思った。思わず笑ったのが、合格発表をしに出てきた在校生のしゃべり。「皆様、大変長らくお待たせをいたしました」と文章で書けばなんらおかしいことはないのだが、その声の出し方、口の動かし方、話しながら頭をふるさまがもう宝塚独特で、飲んでいたお茶を噴出しそうになってしまった。
途中、黒木瞳が学生時代はいかにレッスンと学校だけの生活で厳しいのだ、などと語っていた。「くそっと思う気持ちがないとだめ」とかなんとか言っていて、元娘役のスターも「くそ」って言うのか、と思った。2回言ってたし。まあ、日本語で言ってもそう驚くほど汚い言葉でもないのかもしれないし、あたしだって普段は使うが、「このう、負けないぞという気持ち」ぐらいでも大変さは通じたかもね、と思った。
ものすごーく前の話だが、テレビで鳳蘭が、宝塚は薔薇の棘を一つ一つ周囲の人たちが取ってくれるような優しくて居心地のいいところ、みたいなことを言っていた。ちょっとよく覚えていないので違うかもしれないが、とにかく棘を取ってくれるっていう表現はしていたような気がする。これはスターになってからの話かな。いいなあ、そんな環境に居たことなんてないわ。ま、スターになったこともないけど。棘、刺さったままのもあるしな。