飛行機も着陸

凍った海の上を散歩中、小型飛行機が飛んでるなあ、と空を見ていたら、降りてきた。よく考えたら、人が散歩しているというのに、着陸というのも恐ろしいことである。着陸してきたときは別になんとも思わなかったのだ。スペースはいくらでもあるし(海だし)。水上飛行機ってやつなんだと思う。車輪じゃなくてスキーみたいなのがついている。
なんのために着陸したのかは知らないが、近づいてみたら操縦士はどこかに行っていて、飛行機の周りに人が集まって見ていた。機体にイカルスと書いてあって笑った。イカルスみたいにならなきゃいいけど、とPに言ったが、意味がわからなかったのか、聞いてなかったのか、反応はなかった。意味がわからなかったのだが、それを認めたくないので聞こえないふりをしたと見たが、私は大人なので追及はしなかった。
しばらくすると持ち主のおじさんがやってきて、集まっていた人と気軽に何か言葉を交わしていた。Pが訳すには、ボートを買うかわりに飛行機にしたんだ、などと言っていたらしい。とても軽い飛行機だとか。「じゃ、私はこれで」という感じで、おじさんは飛行機に乗り込み、飛び立っていった。かっちょいー。飯でも食いに行こうか、飛行機出すからちょっと待ってて、という感じなのか。太陽にあまり近づかないようにね、おじさん。