路面電車に乗ったら、二人分くらいの席をぶんどるように足を組んでだらしなくすわり、漫画を読んでいる眉毛を薄くした若い男がいた。いまどき眉毛が薄いっていつの時代の不良だ、と思うが、いでたちはいたって普通のTシャツと綿パンである。どういう路線で行きたいのかよくわからない。脳内で「そのでかい荷物を足元に置いて、スペースを作れ、ボケ」と、持っていた日傘でバシバシとその悪そうな頭を連打してみる。アメリカ人とおぼしき中学生くらいの団体が乗っていたのだが、彼らが降りるとき、わざとしか思えないように足を通路に投げ出し、育ちの悪さ丸出しの山猿である。何をつっぱらかって証明しようとしているのか。Pahtetic loser. さらにそのスネを日傘でバシバシと叩く想像をする。
大変なのよ、あたしみたいに色々気になる性格の人間が電車に乗るというのはっ。