右手首が痛い。ブラマンジェを作るとき、「電動泡だて器を使わないとまずいかなあ」と思いつつも、軽くトロッとさせるだけだし、と油断して右手を使ってしまったのが原因。左手を使うようにしたのだが、右利きなのでやはり右の方が力を入れることができる。失敗。また湿布とサポーターだ。
1997年の夏、旅先ですっころんで右手を強く地面について以来痛い。そのときは、それほど痛みも感じなかったのでたいしたことはないと思い、病院にも行かなかった。しばらくは市販の湿布やサポーターを使い、湿気の多い日に多少痛いと思うときはあっても、それほど気にしてはいなかった。だが、荷物を持つのも、ドアを開けるのも、マウスを使うのも左手というふうに、なるべく右手は使わないようにしていた。とはいえ、なにかの拍子にどうしても右手が出てしまう。使えば鈍痛がするので、2002年だったかに整形外科に行った。

医者は私の手首のぽっこり突き出た部分を見て、「左手より飛び出てますね」と言いながら、思いっきり押す。「痛っ!」と思わず声に出したわよ。衝動的に「なにすんのよ」と言って彼の手を叩きたかったがそこは抑えた。事前にwarningちょうだい。彼が言うには、腕の骨が折れているわけでもひびが入っているわけでもないが、私の骨は標準より少し長いと言う。「長い?」と聞き返すと、「ええ、普通はこんな感じでもう少し短いんです」とレントゲン写真の骨の端から5ミリほど内側に赤のマジックで線を描く。別に特に珍しいことではなく、15人に1人はこういう人がいると言う。で、長い上に、手の平を強く地面についた衝撃で位置が微妙に変わったものだから、手の平の骨と「がっちんこして」(his words)、使うと痛くなるのだそうな。「リハビリはないんでしょうか」と聞くと、申し訳なさそうに「あればお勧めするんですけど、あんまり使わないように、としか申し上げられないんですよ」と言う。骨を削ることもできるらしいが、そんなおおごとにはしたくなかったし、医者も「そうまですることも」という態度だった。結局、湿布だけもらって帰った。

ピアノを長く弾いても痛い。サポーターをつけて弾くようにはしているが、激しい曲は痛くなる。いかんなあ。骨削ったほうがいいのか。骨が長いんだったら、腕も長ければ問題ないだろうに、どういうことだよ。

「手術をしてもいいけど、するほどでもない異常」は、この右手首だけではなく、右足首もである。これは1995年だったか、実家の外階段の最後の一段を踏み外して激しく捻挫した。これは激痛だったので、さすがにすぐに外科に行ったのだが、「あらー、折ったら良かったのにね。じん帯伸びてるし、長く痛いよ」と明るく医者に言われ、実際ずっと痛かった。痛みがなくなっても、捻る癖がついているのか、ちょっと段差があると、すぐにクネっといってまた痛くなる。右手首を診てもらった医者にこの足首も診てもらうと、「普通よりぐらぐらしますね」と、またwarning無しでくるぶしの辺りを強く押す。同じく「痛っ!」と叫ぶと、「ああ、やっぱり筋が何本か切れてますね」とのこと。太ももの筋を移植することもできると言うが、これもやっぱり、そこまでおおごとにしたくなかったので放置。

こんな感じで、minor painを持って生活している。ころびすぎか。