昨日、漢方のA先生のところへ行ってきた。「どうもー、お久しぶりー、いかがですかあ?」と満面の笑顔でお出迎え。これなのよ、この笑顔。患者を安心させる。「蕁麻疹がでてしまって」と言うと、「おお?」と早速カルテを書き始める。「蕁麻疹」と漢字で書いたらかっこいいなと思ったが、ひらがなだった。ま、そんな時間無いわね。私がこれまでの経緯を早口で話す間、うなづきながらすごいスピードでカルテに書き込む先生。途中で受付の人が次の人のカルテを持ってきて出て行ったら、一瞬注意がそっちへ行ったのか、「あ、すみません。最後のところわからなかった。もう一度」と確認。私もちょっと回りくどい言い方したしね。conciseでto the pointの説明を心がけなくては。

「蕁麻疹にはシソって新聞に書いてあったもので」と言うと、笑って「あー、そうですかあ。あれは、食べ物が原因のときによく効くんですよ。魚毒や貝毒を出す作用があるんです。」とのこと。赤ジソでも青ジソでもいいらしい。故に刺身のつまにはシソがそえてあるそうな。そういえば、その新聞記事にもそう書いてあった。

「漢方でも蕁麻疹は難しいんです」とconcerned look on his face.ひーん、やっぱり。金属アレルギーが疑われるのであれば、パッチテストをした方がいいとのことだが、とりあえず今回は「十味敗毒湯」(じゅうみはいどくとう)という薬をいただいた。昨日は気づかなかったが、これって上記新聞記事にも書いてあった薬だ。おまけに記事どおり、A先生も「華岡青洲が作った薬です」と豆知識を教えてくれる。「ほお、猫や奥さんで実験したんでしょうか」と馬鹿な反応をする私。「華岡青洲の妻」をすぐ思い出したのよ。市川雷蔵主演。中学生くらいのときテレビで見たことがある。今調べたら、1967年の映画じゃない、これ。あたしも渋いわ。日本で初めて全身麻酔による手術を成功させた青洲。猫がいっぱい死んでるシーンや、妻役の若尾文子がぶったおれている姿だけよく覚えている。これ、嫁姑が競い合って研究段階の麻酔薬を飲むっていう、女の戦いって局面もある話だったのね。もう一度見たい。

私のその反応にはまじめに「いえ、患者で」と戸惑った様子で答える先生。映画見て無いのね、きっと。でも「患者で」っていう答えもなんだか笑える。まあそりゃ治験が必要なわけだけどさ。

とりあえずこの薬を1週間飲んでみることに。効くといいなあ。