Quasimodo

Obviously not.

夏休みが始まり、そこここの掲示板が荒れている。ばかばかしいことこの上ない。よく見る矯正関連の掲示板でも、矯正している女なんて云々の書き込みをしたガキがおり、矯正中の若き乙女達の心を乱している。

この手のネガティブな意見に彼女らがupsetするのはまあ理解できるのだが、そもそもなぜに矯正装置が恥ずかしいとか、格好悪いとか気にするのかわからん。くずれた歯並びの方がよっぽど恥ずかしいし格好悪いじゃないか。20年前に比べれば多少意識が変わってきているとはいえ、八重歯が可愛いとか、出っ歯がウサギさんみたいで愛らしいとか、"は?"と聞き返したくなるような価値観が未だにこの国にはprevalentなんだなー、とため息。hollywood smileはうそ臭すぎる場合があるにしても(透明感のないかぶせ物をするとああなるらしい。source)、整った歯って文明国に住む人間の証だと思うのだが。夏目漱石だったかな。日本にいる妻に歯並びを治すようにとイギリスから手紙を書いたが、妻はいやがって治療をせず、以後「あの教養の無い口元の女」と呼んだというのは。

なんで私はこういう価値観なのかと考えてみた。アメリカ人にもブレースの見た目を気にする人はいるので、アメリカに住んでいたから、ということではなく、まだ日本にいる頃からの環境かも。25年以上も前の話だが、姉もイトコ達も矯正していた。別にそれを変だと思った記憶もない。まだ犬歯が乳歯だった頃、歯茎から永久歯がのぞきそうになっていたことがあり、それに気づいた親は、さっさといやがる私を歯医者へ連れて行き、その乳歯を抜歯させた。おかげで八重歯にならずに済んだ。私の歯並びは、完璧ではないにしろ、見た目まっすぐであったため、親は私に矯正が特に必要だとは思わなかったらしい。私自信もして欲しいと思ったこともない。まあ、小学校高学年でド田舎に引っ越すはめになり、大体あの土地に当時矯正歯科があったかどうかなんて疑問だし。ああいう、人と違うことは恥ずかしいこと、という超「ザ・日本」的die hard価値観が絶対的優位な土地でブレースつけてたら、大変だっただろう。つけてなくても大変だったっつーのに。

以前、実家でローカルニュースを見ていた父が「広島のテレビ局というのは、歯並びが悪い、というのが入社条件なのか」とつぶやいたことがある。中には、差し歯かcapsで対処したらしき感じの人もいる。透明感のない不自然な歯。本当の歯って半透明なので、下手な審美的対応だとうそっぽい仕上がりになるらしい(上記ソースより)。東京の人気アナウンサーでもいたな。アップになったとき、前歯は白いが、それ以外はまっ黄色だった。話すことが職業の人が矯正しながら仕事をする、っていうのは話しにくさもあるし難しいだろうが、だからこそ若いときに矯正する、っていうのが当然のことに早くならんかな。cosmetic dentistryにだけ頼るんじゃなくてさ。

画像はこんなサイトから。ノートルダムのせむし男の歯。Nice.