巾着の紐のすべりが悪い問題は、2本の紐を同じ穴に通していたからなのであった。1本を別の穴に通したら、するっと絞れたし、開けるときも簡単であった。巾着を作ったのは今回が初めてで、こういうなんでもなさそうなことがわからない。一つ学んだ。
ばあ様に渡すと、「んま〜、編んだん?」と驚き、「これは、着物着たときにあうね」と言う。では、この夏は浴衣で過ごしてくれたまえ。
ばあ様は、結構普段から着物を着る人であった。着物の上から割烹着を来て料理をしていたし、たすきをかけて頭に手ぬぐいをかぶって、ハタキをパタパタしている姿を思い出す。年を取って、帯を締める力がなくなったと言い、洋服が楽でいいと、着物はほとんど親戚にあげたようだ。今じゃ、冬はブラウス、カーディガンにモコモコのズボン、夏は綿のワンピースが定番である。
ここ最近は、それらの服をいかに洗濯するか、が母の課題となっている。母が「洗濯物ありませんか〜」と声をかけるのだが、「年寄りは汗をかかんから今日はまだいい」とばあ様は言い、なかなか洗濯に出さなくなったと言うのだ。あのきれい好きだったばあ様が、とショックである。ばあ様がトイレに行っている間に、母が部屋に忍び込んでシャツをかっぱらって洗濯、ということもしているらしい。洗濯するように渡したか渡してないかは覚えていないので、「勝手に洗った」と怒ることもないようである。色々大変。