父のノートパソコンが瀕死の状態なので、新しいのを買うのを手伝ってくれと言われた。年を取ると、新しいことをするのが非常に億劫になると言う。おまけに次々といろんなモデルが出るパソコンであれば、選ぶのが面倒になるのもわかる。
とりあえずパンフレットをもらおうかと電器店に行ってきた。ネットで映画も見たいので、画面がきれいなのがいいという希望を店員に言うと、東芝DynabookNECのLa Vieを薦めてきた(型番は忘れた)。その人は特にLa Vieが押しのようで、いいことづくめの説明であった。確かに両方とも他のパソコンと比べると画面がくっきりはっきりで綺麗である。
実家に寄ってパンフレットを渡し、ざっと説明をした。Dynabookは地デジのチューナーがついていたが、父はそんなのはどうでもいいらしく、La Vieに興味があるようだ。面倒なので私が良いと言うのを買うとまで言い出した。責任を感じるではないか。
私はかつて電器店の店員がやたらと薦めるF通を買って、トラブル続きで非常に大変な思いをしたことがあるので、La Vieにも今ひとつ積極的になれない。「タイアップですか。あなた自身も買いますか、これ」とか思うわけである。調べ魔なので、事前に仕様や評判をチェックして電器店に出向くことも多く、周辺機器を購入時など、「一消費者のあたしごときの知識の方があなたより勝ってるってどういうことだよ」と、売れればオッケーッみたいな態度の店員にうんざりしたことも幾度かある。
もうちょっとリサーチしてから決定としよう。
いやー、しかしF通のデスクトップとラップトップには泣かされたわ。私が日本で買った初めてのパソコンがF通のデスクトップ、Windows 3.1で、メモリー8メガだった。笑える。16メガに自分で増設したときの達成感。こいつは、1年の保証が切れる3日前にハードディスク交換ということになった。何をしてもウンともスンとも言わなくなったパソコンを前に呆然としたさ。そのとき取り掛かっていた仕事のファイルがパー。以来、フロッピー(当時)にしつこいくらいコピーを保存しまくる癖がついた。
このデスクトップが入院中にもパソコンが必要なわけで、急いで今度はラップトップを買いに走った。このときはF通に対しての怒りはなかったので、また薦められるまま、F通のを買ってしまった。馬鹿な消費者である。こいつがまたデスクトップより使えず、日本語を入力すると、変換する前からひらがなのまま確定してしまうという不具合有り。10年以上前の話なので詳細は忘れたが、とにかく次々と妙な動作をするカスであった。修理に出さねば使えないので、状況を細かく説明した「不具合報告」を作成し、添付して店に返却。数日後の夕方、玄関のチャイムが鳴ったので出てみると、男性が二人。「このたびはご迷惑をおかけしまして」と頭を下げる。F通関連の人だった。家まで来るとは驚いた。報告書から私の怒りを感じたのか。事実を淡々と説明しただけのつもりだったけどね。今でも謎である。仕事で使うので無いと困るから迅速な修理をお願いしたい、と伝えた。戻ってきてからも、変換前に確定という問題はときどき発生し、ストレスだらけであった。ああ、思い出すだけでげんなりする。
以来、三菱、ゲートウェイVAIO、デル、エプソンと使っているが、「今度のパソコンもこのメーカーにしたい」と思うものは無い。まあ、いらないものが入っているパソコンが嫌いなので、中身を自分で選べるメーカーになってしまうんだけど。まあ、もうしばらくは今持っているデルとエプソンを使う予定。