もう長年不思議に思っていることがある。バラエティなどのテレビ番組で、バックグラウンドで流れる曲にアメリカ映画などのサントラを使っていることが多くあるが、あれの著作権はどうなっているのだろうか。ちゃんと許可を取っているのだろうか。よく聞くのが、タランティーノ監督のFour Roomsの曲。あら、また使ってる、と思うのだが、そのたびに著作権のことを思うのである。私はこのサントラCDを持っていたので特によく気が付くのだが、他にもきっとあるに違いない。Snatchの曲も聞いたことあるな。これもCDを持っていて何度も聞いたので気付くわけだが。
アメリカで高校生をやっていたとき、著作権というものはyou need to take it seriouslyなのだなあと学んだ。卒業アルバムの自分のページに、好きだった詩を入れたいと思っていたのだが、先生に「この詩は著作権がまだ切れていないから、ちゃんと許可を得なければならない」と言われたのだ。ええ、たかが高校のアルバムでもそんな面倒なことをしなければならないのか、というのが正直な気持ちであった。と同時に、たかが高校のアルバムでも、他人の創作したものを勝手に書いちゃいかんのね、と反省し、感心した。日本の中学校時代のアルバムなんて、好きな歌手の歌の歌詞を書いている人なんてゴロゴロいた気がする。著作権がどうのなんて発想にもなかった。だめだね。
結局、許可を取るのが面倒なんで、卒業アルバムには自分で作った詩を載せた。ゆえに許可を取るプロセスがどういうものなのかはいまだに知らない。経験上、取ってみれば良かったな。
たかが個人のブログでも、歌詞などを書くのは著作権侵害になる。よく見るけどねえ。著作権をなめちゃいかんよ。
著作権なめまくりの人と仕事上で関わったことがある。高価なソフトを私は持っていたのだが、それを知ったその人は、コピーさせてくれと言ったのである。株式会社の次長が、フリーランサーにソフトのコピーをさせろと。あたし、最初は冗談かと思って笑ったのであった。冗談でも全然おもしろくないけどね。当然、コピーなんかさせなかった。結局、会社で買ったようである。あったりまえだが。こういう、なあなあの関係で何か利益を得ようとする人とは関わらないのが一番である。思い出すだけで腹立つ。
「それくらい、いいじゃん」という態度が蔓延しているのがいかん。この傾向は、私の経験だけで言えば日本の方がアメリカより顕著な気がするが、かと言ってアメリカにそういう考えがないわけではない。私の大好きなcartoonistのGary Larsonが、アメリカ人の若者が作っていた彼の絵を紹介するサイトに直接抗議したというのを読んだことがある。反省した若者は事情を説明した文章を残してサイトを閉めたのであったが、Larsonはケチだとか、自分の宣伝をしてもらっているのにとか掲示板に書き込んでいる人がいた。自分の著作権を守るのはケチじゃないっつーの。
大学で書くレポートにしたって、他人の本からアイディアそっくりそのまま取っておいて、bibliographyもendnoteもfootnoteも何もないって人もいるらしいではないか。plagiarismの概念が非常に希薄というか、そもそも無いというか。
著作権は尊重しようぜ。