Pは洗濯の際、柔軟剤を使わない。やたらと薬品を使うのがいやだからと言っていた。私は日本では市販の柔軟剤を使うが、別にPが使いたくないのならそれはそれでかまわないので、フィンランドにいる間は使ったことがない。
Pの洗濯機は、乾燥機までついている一体型のやつなのだが、今回彼は乾燥機を使っていないことに気づいた。洗濯物は全部サウナに置いて干している(暑くない状態のサウナ)。なんで、と聞いたが、特に理由はないと言う。元々、私が日本から持ってきた下着や服などは乾燥機は使いたくないので(カットソーを一枚、子供サイズに縮ませてしまったことがあるし)、以前から外かサウナに干していた。Pがそうしたいなら、と私もすべてサウナに干すようにしていたのだが、タオル類はどうしてもゴワゴワになってしまう。コットンのタートルネックも硬いし。やっぱり柔軟剤が欲しいよなあと思い、スーパーでも何種類か手にとってみたのだが、何が書いてあるかさっぱりわからないし、ケミカルがいやならどれも同じだろうと思って買わなかった。
で、代わりになるものはないのかとネットで調べてみたら、世の中の人はお酢を使うらしいではないか。Pの家にはバルサミコしかないので、さすがの私もこれは使えないとわかる。ならばどういうお酢がいいんだろうと英語で検索してみた。すると大抵"white vinegar"と書いてある。それらしき名前のお酢をスーパーで探そうと行ってみたが、ホワイトワインの酢はあるが、white vinegarというのはない。あとはりんご酢とか。和食コーナーに寿司酢はあるが、これはまた違うような気もするし、なんといっても高い。
また家に帰って、"white vinegar"とは何かを調べてみた。どうもアメリカでは一般的に使われている名前らしいが、ヨーロッパではそうではないらしい。イギリスに住むアメリカ人が、white vinegarがないと嘆いている掲示板があった。そんなアメリカで一般的なお酢なら、他の国にないはずはないはず、と思い、呼び名が違うんだろうと検索してみた。すると、spirit vinegarとか、distilled vinegarだと親切に説明してくれている人がいた。ピクルスを作るときに使うようなお酢らしい。早速、スーパーで買ってきた。

瓶にはピクルスの写真。絶対これである。スウェーデン語表記にも"sprit"の文字があるし。

で、これをどれくらい洗濯機に入れればいいのかを調べてみた。1/4カップから1カップだという。結構多いなあ。お酢臭くならないのかなあと思ったが、ならないと書いてある。やってみるしかない、と私のタオルや下着類を洗ってみた。お酢は1/4カップ、柔軟剤を入れるところに入れてみた。
洗濯サイクルが終わり、洗濯物を取り出してみると、ほのかなお酢の臭い。うー。考えてみれば、アメリカのサイトに書いてある量は、アメリカの洗濯機用なわけである。ここはドラム式で水をあまり使わない。おまけに、日本語で検索してみたら、「おちょこ一杯のお酢」と書いてあるところまであるじゃないか。じゃぶじゃぶ水を使う日本でさえおちょこ一杯なのに。うー。乾けば臭いはなくなると書いてあるサイトがあったので、信じてみよう(まだサウナで乾燥中)。
肝心の柔軟剤としての効果だが、洗濯機から出したとき、いつもよりふんにゃりと柔らかかった。期待できそうだ。
ということで、今サウナにはうっすらとお酢の臭いが漂っている。
ブリーチを入れるところへお酢を入れれば、すすぎがかかるから臭わなくなるのかなあ。それで柔軟効果はあるんだろうか。やってみるしかないわ。
なんか悩みがドメスティックで笑える。とほほって感じで。