いい加減誰かこのアパートを掃除して!と叫ぶ。その誰かは私しかいないので、パソコンのデフラグをして仕事はしばらくできない状態に無理矢理することにし、山となった洗濯済みの服をたたむ。掃除機をかけ、アイロンをかけなければいけない夏のシャツを引っ張り出し、あまりの多さにただironing boardの上にpileしておくことにし、去年着なかったシャツはもう捨てるべく紙袋につっこむ。
その捨てるシャツの中に、気に入っていたベージュの綿シャツがある。アイロンもかけやすかったし、形もスタイルをよく見せてくれるようなややタイトで好きだった。だが、大馬鹿な私は、あせわきパッドを一晩貼ったままにしてしまい、翌日洗濯する前にパッドを剥ごうとしても全然取れなくて、glueがついて染みになってしまった。洗濯してもとれるようなものではないし、結構目立つし、上にジャケットを着れば、と思いつつも、ジャケットを絶対脱がないようにしなければなどという気を使う必要があるシャツなど着ていては疲れる。パッドの箱にはちゃーんと注意書に「すぐにはがすように」って書いてあったのよね。あとで気付きました。
で、掃除だが、忙しいときに家の中のことなど後回しになり、結局色々たまりまくるというのが常。私などとは比較にならないくらい忙しく、そして同じく比較にならないくらいキレイ好きなPのアパートはというと、いつも整理整頓され、きれいに掃除されている。立派なことである。掃除機や埃取り(クイックルワイパーとおんなじものがあっちにもある。名前は違った)などは自分でしているが、前回私がフィンランドにいるときにいきなり「窓が汚い。床もワックスが必要だ」と言い出した。私は内心「ワックスがかかってなくたって、死にゃしないよ」と思っていたのだが、即、知り合いのcleaning ladyに電話。フィリピン人の奥さんとフィンランド人のだんなさんがそういうサービスを提供しているらしい。他人を家に入れて掃除してもらうというのは、アメリカもフィンランドも気軽にするのね、と思った。日本は共働きの家だって、なかなかしないと思うけどどうだろう。ダスキンとかああいう会社のサービスなら利用している人もいるかもしれないが、個人で提供しているサービスを頼む人は少ないような。というよりも、個人でクリーニングサービスを提供しているというのがまずなかなかないだろう。
「月曜日の朝10時に来る」ということで、Pは会社なので私が二人を家に入れた。フィンランド語で話しかけられ、ごめーん、フィンランド語はわからないのだわ、と英語で答えると、さすがフィリピンの人、すぐに英語に切り替えてくれた。午後3時までには終える、ということで、ええ、そんな長い間かけてやってくれるんですか、と驚いた。私が家にいる必要はない、とPに言われていたし、実際二人が作業中にじっとしてても居心地悪いので、じゃ、お願いしまーす、キートス(thank you)と言って出かけた。フィンランド人のだんなさんは窓拭きに早速取り掛かりながら、「ノープロブレーム、バイバーイ」と英語で返してくれた。雇っているとはいえ、他人二人を家において留守にする、っていうのはまた異文化よね、と思う。ちなみに玄関の鍵は、ドアさえ閉めればかかるタイプなので、鍵は渡す必要なし。(鍵を家の中に忘れてドアを閉めると悲惨、というタイプ。)
で、3時過ぎに帰ってきてみて驚き。ワックス、窓拭きはもちろん、掃除機もかけてあり、洗面所もピカピカ、medicine cabinetの中まで拭いてある(中に置いていたものを一度出したのがわかった。元通りに並べていなかったが、それくらいは良しとする)。そしてクローゼットの隅っこにあったPのto be ironedのワイシャツも全部アイロンがかけてあるではないか。えー、そんなことなら、あたしのシャツも出しておきゃよかった、とちょと思った。
そしてお値段は50ユーロ。安い!!Pが「この値段どう思う?」と言うので、二人であれだけやってwhat a bargainだと私は驚愕。もっとチャージしてもいいんでないの、と他人事ながら思った。ダスキンに頼めば、数万取られそうな仕事量だわよ。
ああ、あの夫婦を雇いたい。エアコンの掃除してくれないかな。網戸もどろどろなんだ。床にワックスなんて、3年前の引っ越しの荷物を入れる前にかけたっきりだよ。遠距離だから100ユーロだそう。交通費は自前でお願い。