過去日記ではなくて、今回のフィンランドへの旅に関して思い出したことをちょろっと書いていく。

まずは行きの飛行機。いやー、あたしってネタ作りのために移動してるのかってくらい飛行機ネタはほぼ毎回あるんだが、今回も面白い経験というか迷惑な思いをさせられた。

フィンランド航空にてヘルシンキ直行便。ヘルシンキ経由で他のヨーロッパ都市にいくツアーなども多いため、まだ12月19日で正月休みには少し早いというのに機内はかなりの混み具合。私は真ん中の列の通路側の席。ラッキーにも隣二つは空席で、反対側の通路側には若い日本人女性が座っていた。目があってお互い会釈をし、「隣が空席でよかったですねー」などと言ってご挨拶。定刻に出発し、快適な空の旅が始まるはずだった。

機長の挨拶のアナウンスの後、しばらく飛んでから再度機長がしゃべりだした。なんだろうと思ってそのフィンランド語訛りの英語を聞いていると、「車輪がretractできていないようなので、関空に戻ります」
えーっ。
「その前にfuelをdumpするために30分ほど飛行を続けます」
えーっ! それってクラッシュランディングの準備ですか。
「Landing will be normal.」
ほんまですか。You don't know that yet, do you?!
で、30分どころか1時間以上飛び続けたところでまたアナウンス。
「出たままの車輪が着陸できるような角度で出ているかどうかの確認を行うために、管制塔の上を飛びます」
目視確認ですかっ。管制塔の窓から管制官が飛行機を見て、「あれなら大丈夫ちゃうか」とか言うんだろうか。
しばらくしたら、「問題ないそうなんで、着陸します」と機長。
で、実際ノーマルに着陸。同じ列の女性と顔を見合わせて、困りましたねーとお互い苦笑。
その後、整備とチェック開始ということで、乗客はそのまま機内にとどまった。待てど暮らせど新しいアナウンスはない。何時間待ったのかな、"We will be serving lunch soon"とパーサーの声。結局、関空に止まった飛行機の中でチキンカレーのランチ。あんな匂いのきついものを機内で?と思ったのだが、割とすぐに匂いは消えた。でもカレー嫌いの人には地獄だったに違いない。(ちなみに帰りの便もカレーだった。カレーは普通の味だったが、ご飯べちゃべちゃで食べられなかった)。個人的には、「前回の調整でカラーゴムつけなくて良かった」と思った。
食事が済んでも離陸する気配はなく、結局数時間待たされた。日本人のスチュワードが「お急ぎのところ本当に申し訳ありません」と一生懸命謝っていた。心をこめた謝罪というのは、日本人はうまいのではないか。少なくとも心をこめたように聞こえる謝罪(別に彼の謝罪がそうだったとは言っていない)。フィンランド人のスタッフの謝罪のしかたはあっさりだからね。日本人には物足りないと思うわ。眉をひそめて泣きそうな顔をしているところが想像できる物言いじゃないと。
その後のフライトは順調で何事もなかった。あ、一個あった。離陸するときにいきなり天井から水が肩に落ちてきたのだ。そういえば、一回目の離陸のあと、同じ列の女性がスチュワードに「上から水が漏ってくる」と言って、席を中よりに移っていた。「さっきの水の件、これですか」と聞いてみたら、「そうそう、同じです。今はこっちは大丈夫みたいです。結露の水だからきれいだとか言ってました」とのこと。きれいだとか汚いとかいう話じゃなくて、天井から水っていうこと自体が既に問題なのでは。機体がしょぼすぎ。通りすがりのごっついフィンランド人客室乗務員を捕まえ、タオルを要求。「どこから水が?」と謝るわけでもなく無愛想に聞く彼女。「あそこだよ、あそこ」といまだにポタポタとしずくが垂れている天井を指差す私。すると何も言わずにどすどすと歩み去り、腰の低い日本人スチュワードを連れてきた。「She said」とまで言ってそのまま差っていく彼女。なんですか、それは。スチュワードは、先ほどの女性の言ったとおり、「結露の水なのできれいな水ですのでご心配はいりません」とへこへこお辞儀をしながら説明し、タオルで天井を拭いて去っていった。手すりも濡れているんだが、お兄さん。肩には毛布をかけていたのでセーターは無事であった。私まで一つ中よりの席に移っては、せっかく隣に誰もいない状態の列なのに、女性とわざわざ隣同士に座ってしまうことになる。離陸してからは水は落ちてこない、と彼女も言っていたので、私はそのまま通路側の席にとどまった。実際大丈夫だった。結局、離陸時に機体が斜めになったときに水が落ちてきたってことなのか。こんなこと初めてだわ。でね、ついでに言うと、着陸してからoverhead compartmentに入れておいたダウンジャケットを取り出したら、ちょっと濡れてたよ。もう、この機体捨てろ。
ま、it could have been a lot worseなのでこの程度のことですんでよかったわけなんだが。でもこの程度のことでも何事もないほうがいいよなーっ。結局、午後3時半に到着予定が8時を過ぎていた。迎えにきてくれるはずのPが、会社を出る前にちゃんと遅れのチェックをしてくれてるといいが、と思って心配していたが、ちゃんとしていたので良かった。

で、帰りの飛行機。こっちは問題なく飛んで関空に到着。あーよかった、と思ってスーツケースをピックアップしたら、角っこが裂けている。ナイフで思いっきり削ったみたいにべろーんと裂けている。やられたー、とがっくり。一体どういう取り扱いをしたらこんな傷がつくのか。このスーツケースはネットで買った2万くらいの安いやつで、サムソナイトのような高いものではなかったからかなあ、今まではずっとサムソナイトだったが、こんなことなかったしなあ、などと考えながら宅配のカウンターへ。するとそこのお兄さんが亀裂を見て、インフォメーションに言えば、航空会社がただで直してくれるかもしれない、と言う。そんならば、と言われた通りにインフォメーションへ。しばらくしたら、制服姿の女性が小走りで現れ、「この度は申し訳ございませんっ」と眉をひそめてお辞儀をして謝罪。さすが。「一度ご自宅へお持ち帰りいただき、こちらのフリーダイヤルにお電話いただければ、こちらから取りに伺って、無料で修理させていただきます」とのこと。へー、こんな仕組みになっていたのか。必要事項を書類に記入した後(いつ、いくらくらいで購入したかなど。正直に2万と言うべきではなかったのかって、いかん、そんな嘘は)、彼女はまた頭を下げて去っていった。

どの程度ちゃんと修理してくれるのかわからないが、まあ、とりあえずこの鋭利な裂け具合をどうにかしほしいわ。まだスーツケースはemptyしていないので電話はしていないが。来週中にはするつもり。