月がきれいだたったので散歩の途中に何枚も写真を撮ってみたが、まともに撮れていたものは数枚しかなかった。技術なさすぎ。
 

まだ明るいうちに、まんじゅしゃげが数本生えているのを見つけ、これも撮ってみた。

その後いつもどおりに川沿いの散歩道を歩いていたら、後ろから「さっき、何を撮ってらしたんですか」と、Tシャツ短パン姿の白髪の紳士が笑顔で話しかけてきた。「まんじゅしゃげっていうんですか。赤い花がきれいなので撮ってみました」と答えると、「ああ、名前を知っている人は少ないでしょうねえ」と彼は答え、なぜかそのまま一緒に歩くことになってしまった。He was a rather good looking gentleman, but to tell you the truth, I wasn't exactly in the mood for chatting with a stranger. だが、一本道の散歩道を逃げるわけにもいかず、適当に相槌を打ちながら、ずっと歩き続けたのである。緊張したわ。
お近くですか、いつも歩いてらっしゃるんですか、などと当たり障りのないことを聞かれ、2年前までは走っていたのだが、今はもう歩くので精一杯になってしまった、などとおっしゃる。退職なさってる年代なのだろうか。若ぶりであったが。
笑ったのが、「この道はもう何年も走ってますが、そう若い年代の人というのはいないんですよね。あ、こんなことを言うと、失礼ですが」
うはは、いえいえ、私が25に見えないのは承知しておりますですよ。この失言のフォローをせねばと思ったのか、「前は男性が多かったですが、美しい方が増えるというのは大歓迎です」などと笑わせる。内心は、「どこまで一緒に歩かなければならないのだろう」と思っている私であるが、そのようなことを言われれば、抜歯後の隙間を見せて「おっほっほ」と笑って見せたりするわけである。
その後、なぜか政治の話になり、アメリカのように、よその国に渡って先住民を殺して土地を奪って、アフリカから黒人を拉致してきて奴隷にして栄えてきたような国と仲良くしようなんていう小泉首相はいかん、とおっしゃる。「小泉さんのファンだったらすみませんが」とここでも一応謝る彼。「いえ、別に」と答えるが、アメリカの国のなりに対しては、反論したくもある。彼の言うことは嘘ではないが、あの国をそんな単純な説明で判断しても。大体、他国に対して横暴なことをしてきたのは、アメリカに限らず、イギリスだって日本だって同じことだろう。大英帝国がアフリカで何をしたと思ってんだ。だが、歴史や政治の話なんて、散歩の途中に知らない人と話したくない。ああ、どうしよう、まだ歩くのかな、と困っていたら、「じゃ、私はここでUターンしますので。またいつか。さよなら!」と、笑顔で手を振っていった。こちらも「失礼します」と笑顔で挨拶したが、実はそれはほっとしたための笑顔であったのだった。
明日から、散歩の時間ずらそ。