3年前、本物の除虫菊を使った蚊取り線香というのを買った。電気で暖めて薬品を部屋中にpermeateさせて蚊を殺すものが主流ではあるが、どうもあの匂いがいやで(yes, I can smell it)、昔懐かしい蚊取り線香を使おうと思い立ったのだ。よく見る緑色のやつは化学薬品だと知り、自然なものが一番だなんだと騒いでいる人がやっている通販サイトで、除虫菊を使って作ったものを6箱も買った。買った当時は、冷房をなるべく使わずに、窓を開け放して風を通して暮らそうと思っており、1箱30個入りだから、ひと夏3ヶ月間毎日使えば2年使えると計算したのだ。買って3年経ったが、まだ1箱目を消費していない。

煙いのだ。当然なのだが、ここまで煙かったかと思うくらい煙いのだ。大体蚊取り線香などというものは、しめきった空間で使うものではない。縁側とか、窓を開け放した状態で使うものだ。冷房をなるべく使うまい、と思ったのは本当だが、暑さよりも湿気がたまらないので、どうしてもつけてしまう。窓を閉めて暮らしていれば、部屋の中に蚊が入ってくることが、そうそう毎日あるわけでもない。玄関やベランダに出入りする際にごくたまに入ってくる程度である。初めて使ったときには、窓を開けた状態で煙をくゆらせ、「おお、日本の夏」などと喜んでみたが、消した後もカーテンやらカーペットが線香臭くて難であった。この匂いが良いという人もいるのかもしれない。

今、その匂いの中でコンピューターに向かっている。昨夜なぜか家に蚊がいたのだ。雨で窓は一度も開けていなかったが、出かけるときに玄関から入ってきたのだろう。一箇所刺されていた。雨で窓が開けられないから、べー○をつけようと探したのだが、どこに仕舞ってあるかわからず、仕方なくすぐに見つかった蚊取り線香をつけたのだ。ひとつ全部使ったわけではなく、1、2時間つけていただけだが、今日も線香の匂いがぷんぷんである。気分が悪くなるような匂いではないが、かなり強い。これではせっかく置いているcrabtree and evelyn's spring rainのポプリが全然香らない(I love the store)。

まあ、蚊は死んだみたいだから目的は果たしているのだが。残りの蚊取り線香はあと20年くらい持ちそうだ。