Light blue ligs

調整日。今日の衛生士はミニー。診療台に座ると、「気になったところはありますか」と聞かれたので、口を動かすと右顎から異音がすることを伝えた。「後で先生に診てもらいましょう」と言いながらカルテに書き込むミニー。先にワイヤーを外しておくということで、口を開けると、「ゴ、ゴムの色が」と笑われた。漢方薬や食事で、薄いミントグリーンが薄汚い色に変色している。ミニーは話しながらよく笑う人だ。楽しげでよい。

今回も少し歯が着色していたので、簡単に研磨してくれた。「アパガードのリナメルで磨いて、他はツルツルでブラケットを取ったらそこだけざらざらってことにならないか」と聞いてみたが、多分そこまで差はでないと思うとのことだった。メーカーにメールで聞いてみたのだが、明確な答えができないが、気になるようなら矯正終了時にプロに研磨してもらってくれという返答だった、と伝えると、「実例がまだないので、なんともいえないですよねえ」とミニーも唸っていた。ブラケットを取った後には3回研磨をするそうで、最後にリナメルを使うらしい。なるべく均等な滑らかさになるようにするから、ということであった。ま、まだまだ先の話だ。

先生を待つ間、口を開け閉めしてみたのだが、音がしない。なぜかクリニックにいると大口を開けても鳴らないのだ。なぜにこう、症状というものは医者を前にすると出なくなるのか。4、5ヶ月前から音が鳴っているわけだが、毎回の調整時に「今回は診てもらおう」と思いつつも、診療台に寝転がったまま口を開け閉めしても音が鳴らないので、「あ、大丈夫かな」と思い、今までだまっていたのだ。先生としても、症状が確認できなければ判断しにくいだろうし、「鳴ってくれないかなあ」と思いつつ、何度もカクカク動かしてみたが、何も音がしない。

あーうーあーうー、と口を動かしていると、副院長先生登場。院長先生はお留守のようで姿は見かけなかった。しゃきしゃきと効率よく治療を進める副院長先生は、「あら、顎が?」と言いながら、歯の当たり具合をチェックしたり、レントゲン写真を確認したり、奥歯で噛んだまま顎を左右にスライドさせて動きを観察するなど、いろいろ診てくれた。だが、はっきりしたことはわからない。痛みがあれば問題なのだが、まったく無い。「頬杖をついたり、横向きに寝たりしますか?」と聞かれたので、あ、まずい、と思いながら「横向きに寝ます」と答えた。頬杖をつく癖はないが、私は必ずfetus positionに近い姿勢で寝る。別に親指をくわえたりはしない。特に右ばかりを下にするということはないと思うが、横向きで眠るのは毎晩のことだ。これからは、顎関節に負担のかかるような、そういう横向き寝はなるべくしないようして、しばらく様子を見るということになった。大口を開けて歌ったりもしないようにと言われた。してないけど。(今はまたペキペキ言うんだよな。なんなのだ。)

今回は、前回の調整から4週間経っているというのに、いつもより歯がsensitiveであった。後ろへ下げようとしている犬歯を強く触られたとき、痛くて顔をゆがめると、「あら、まだ痛いですか。今回は骨がまだ落ち着いてないのかもしれませんね」と先生。そういうこともあるのか。

ワイヤーの調節後、結紮。ミニーにゴムの色を聞かれたので、水色をリクエストしたが無いという。少し薄めのブルーとビビッドなブルーがあり、薄いほうをお願いした。少し濃い目の水色という感じで気に入っている。テーマは雨だれ。

結紮をしてもらいながら、今日は私もミニーもよくしゃべった。もっと矯正が一般的になればいいとか、私がネットで調べたアメリカでの治療の話とか、装置の話とか。ミニーは、装置を目立たせたくない患者さんが多いという。「Kayさんは写真に写るときには、口を閉じられます?」と聞くので、「思いっきりニカッと笑います」と答えたらまた笑っていた。微笑むとブラケットが邪魔で、唇が変な形になるのだもの。それに、私はもともと装置のことを気にしていない。写真を撮られても、セラミックだとほとんどわからないし、実生活でも、何も気にせずニカニカしている。お店の店員さんで、ぎょっとした顔をした人も一人二人今までいたが、まあ、矯正のことをよく知らないんだろうな、と思うくらいで、別にどうでもいい。この医院では、特に高校生の男の子が舌側でしたいと相談すると言う。へえ、男の子が、とちょっと意外だった。お、がんばって矯正してるんだ、程度の反応くらいしかないんじゃないの、と私などは思うが、やはり自意識過剰の思春期の僕達は目立ちたくないのかな。ミニーによると、以前に比べればクラスに数人は矯正中の人がいると皆言うらしいが、やはりまだ少数派だということだ。保険がきくようになって、矯正が珍しくない治療として普及すればいいのだが。

ミニーの作業に邪魔にならないように、なるべくマ行とバ行を使わずに話すようにした。彼女の手に唇があたるから。「歯のブリーチ」という代わりに、「歯の漂白」とか。しゃべらないのが一番いいんだろうけど。いつになく私もおしゃべりであった。

医院を出る頃から、もう犬歯が痛んだ。もともと痛かったのに、調整のときにさらに触られて、イジイジ、ジンジンと「動こうとしています」という犬歯の主張を感じる。その後に皮膚科に行くまでに、アンデルセンで軽く食事をと思っていたのだが、何を見ても噛めそうにない。アボカドのサンドイッチがおいしそうだったのだが、パンを噛み切るのは到底無理だ。「仕方ないからおやつで済ますか」と得意のwarped logicで、栗原さんの「ゆとりの時間」に行って、チョコレートケーキのアイスクリーム添え、ラズベリージャム付を食べた。奥歯で噛めば問題ございませんでした。

本日、4725円也。
Cumulative total: 376,835円