22歳の大学生の女がいた。ある晩、習い事関係の飲み会に出席し、盛り上がったパーティーのお開きは12時を過ぎた。次の習い事の日、その娘はこう言う。「飲み会から帰ったら、帰りが遅いと父親に平手打ちをされた。みんなが帰らないから帰れず、門限に間に合わなくてひどく叱られてしまった。」
ばかですか。甘ったれが。門限があるのならさっさと帰れ。お開きにならなかったから帰れなかったなどと言って、人のせいにするそのずうずうしさはなんだ。22にもなって親から行動を制限されているというオコチャマぶりにも驚くし、制限している親もいいかげん娘を子供扱いするのはやめろと言いたい。だが、まだ学生で、親の家にただで暮らしているのであるから、その家のルールを決める権利は親にあるのはわかる。そしてそれを守るのは本人の責任だろう。他人のせいにするな。いつまでも赤ん坊扱いされて育つとこうなる。しかし、帰りが遅いと平手打ちをくらわすという暴力的な親の顔が見てみたい。これは人間としてルール違反だろう。
でもこういう家庭は、日本では「厳しいしつけをする良家」と呼ばれる部類に入るのかもしれない。若い娘が夜遊びをするなんて許さん!結婚するまでうちから出さん!一人暮らしなんて絶対させん!という親といつまで同居する箱入り娘。親、Let her go。and 娘、Get a life.
私はアメリカの寮制の女子校に通ったが、高校3年になると、金曜と土曜の門限は午前1時であった(当時。今は知らない)。1時だよ、1時。そりゃ私だって行った当初は驚いた。上級生のお姉さん方は、夕食時になるとおしゃれをして寮の玄関にわさわさと集まり、男の子が車で迎えに来て楽しげに出かける。大人〜、と思った。周囲がこうやって大人扱いすると、大人として(young ladyってやつですか)責任を持った行動を本人もとるようになる。別に「夜遊びをする不良」なお姉さん達ではない。成績優秀の優等生がほとんどである。そりゃ中には無責任な生徒もいる。だが、たとえば門限を守らなかったからといって、誰かにたたかれることなんてあり得ない。しばらく外出禁止などの罰はある。普段の行いがいまいちな生徒には、早めの門限が設定されるし、ルール破りを繰り返すようなら結構あっさり退学にもなる。
3年にならなくとも、校内で行われるダンスパーティーは夜12時まで続き、みんな生バンドが帰るまで踊った。もちろん、chaperonsの先生達も会場にいるのだが、先生達も一緒に踊る。結局、夜を楽しむ文化なんだわね。
日本もアメリカのようにしろと言っているのではない。日本の高校3年生の男の子が、車に乗って花持ってデートに迎えには来ないだろう。フォーマルなダンスパーティでタキシード着て、コサージュを女の子にあげたりしないだろう。ただ、こういう環境に居た私であるから、22歳の女が12時に帰らなかったといって親に平手打ちされるというのが信じられないって話。